青沼 光一

ドームの印象

建築名称:東京国立博物館表慶館
設計者:片山東熊
建築年度:1909年(明42)
建築物の所在地:東京・上野
雑感:美術展の帰りに、ふとドーム建物が傾いた陽にあたり輝いて見えました。

青山 恭之

アユミギャラリー

建築名称:アユミギャラリー(東京/神楽坂)
設計者:高橋 博
建築年度:1953年
雑感:
神楽坂のメインストリート(早稲田通り)に面して建つ、洋館です。一階はギャラリー、二階は建築家鈴木喜一氏の設計事務所になっています。その鈴木氏の義理の父にあたる建築家高橋博氏(明治35~平成3)が昭和28年に、自分の設計事務所として建てたものです。このあたりは神楽坂を登りきった丘の上で、現在では高層建築が林立していますが、当時ははるかに東京の町並が広がって見えていたにちがいありません。低く黒ずんだ町並の中で、明るい色の外壁に、ハーフティンバー(柱や梁、筋交いなどの骨組みのパターンが、外壁に浮き出て見える意匠)の瀟洒なスタイルで、とんがり屋根の建物は人目を引いたことでしょう。戦後間もない時期に、40代半ばの建築家が、再スタートの旗印をこの建築でかかげた、静かな気概のようなものを感じます。
一階の街路に面した壁面には、インテリアが街へと膨らみ出てくるような出窓が、足元を煉瓦壁に支えられ、斜めの格子を伴って設けられています。その出窓部分は、内部ではアルコーブ(くぼんだ空間)を形成する造りつけのソファになっていて、都市とのやわらかな交わりが実現しているのです。
設計者高橋が、ここで当時流行の近代建築のデザインをとらなかったことが注目されます。彼はイギリスに留学した当時、カントリーハウスやコテージに親近感を持っていたようです。彼にとっては、前衛を振りかざすモダニズムよりも、肌になじんだ自然さを大切にしたかったのでしょう。それが地域からも愛される街の宝物になって、次の世代に大切に守られているのです。(2009年1月記)

阿久津 惠美

大都会の喧騒を離れて

建築名称:自由学園明日館
設計者: フランク・ロイド・ライト、遠藤新
建築年度:大正10年(1921)
建物の所在地:東京都豊島区西池袋2-31-3
雑感:池袋駅近くのにぎわいから少し歩いて行くと、閑静な住宅街がひろがり、そこに自由学園明日館がまるで別空間が存在するようにあった。空は曇天。芝生の緑がしっとりとしていて、引き寄せられるような魅力を感じた。

浅川 三智子

山本有三記念館

建築名称:山本有三記念館
設計者:不明
建築年度:1926年(大正15年)
建築物の所在地:三鷹市
雑感:南の庭側から描きました。北側は花が色とりどりに咲いていて訪れるたびに楽しめます。

網戸 通夫

山手線・原宿駅駅舎

設計者:長谷川馨、鉄道省工務部
建築物の所在地:渋谷区神宮前1丁目
雑感:2代目になる現在の駅舎は、1924年(大正14年)に竣工した都内に現存する最古の木造駅舎である。初代の駅舎は1906年(明治39年)の開業、今よりも代々木寄りにあったが、明治神宮の建設中に起こった関東大震災(1923年)のため、表参道や神宮の森計画に併せて、現在の位置にイギリス式洋風建築の新しい駅が開設された。

有地 訓

アユミギャラリーと高橋ビルディング

石塚 禎幸

アンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)

設計者:坂倉準三
建築年度:1951年

泉谷 五十鈴

旧雑司ヶ谷宣教師館

建築名称:マッケンレーブ邸
建築年度:1907年
建物の所在地:豊島区雑司ヶ谷
雑感:晩秋の午後のひととき。

今井 俊介

スコットホール

入口 可奈子

食堂

建築名称:自由学園 明日館
設計者:フランク・ロイド・ライト
建築年度:1921年
建築物の所在地:豊島区西池袋
雑感:高校生の時、初めて建築写生をしたのが明日館でした。なかでも今回描いた食堂が好きです。また、明日館でいただけるお茶菓子も好きです。

上嶋 明子

東京国立近代美術館工芸館

魚谷 幸子

三菱一号館 美術館

建築名称:三菱一号館 美術館
設計者: ジョサイア・コンドル
建築年度:明治27(1894) 復元し、2010年4月より美術館に
建物の所在地:千代田区丸の内
雑感:三菱一号館は何度もチャレンジしているが、思うようにまとまらない、手ごわい。7月美術塾で丸の内界隈を描くときも挑戦、鈴木喜一先生と爽やかな風を感じながら描いてますとメールのやりとりを思い出しなぜか背中を押された気がした。描けるよーといわれているような気がして

牛山 哲子

町の文房具屋さん

建築名称:文具うめや
建築物の所在地:世田谷区等々力7丁目
雑感:戦後間もなく、この家のご主人と若き大工さんとで乏しい建材をかき集めてコツコツと建てた、と雑誌を見て描きに…。今も現役でバラが大切にこの家を包んでいました。

大柴 健宏

旧東京音楽学校奏楽堂

建築名称:奏楽堂
設計者:不明
建築年度:明治23年(1890年)
建築物の所在地:東京都台東区上野公園8番43号
雑感:明治23年日本で初めての音楽専用の演奏会場として建立され、昭和62年に移築保存されている。滝廉太郎や山田耕筰、三浦環等がこのホールで自作の歌曲やオペラの発表や演奏をされたことを思うと日本の近代音楽教育の原点がここにあり音楽ファンにとっても貴重な建築であると思います。

加藤 みかの

目白が丘教会

設計者:遠藤新
建築年度:1950年

旧銀座アパートメント 奥野ビル

建築名称:旧銀座アパートメント 奥野ビル
設計者:川元良一
建築年度:1932年
建築物の所在地:中央区銀座1-9-8

川村 啓明

時をこえて

設計者     玉置岩男
建築年度    1927年
建築名称    村山下貯水池第一取水塔
所在地     東大和市多摩湖四丁目地先
雑感:雑感
日本一美しい取水塔
 
多摩湖の取水塔を日本一と誰が言い出したのだろう。
人気投票をすれば人口の関係で、ダントツ一位は間違いない.
 
我が家の初代の爺さんは
「はつじろう」といった。
頑固者で偏屈で周りの人から
かなり疎ましがられていたようだ。
亡くなったとき近所から
「はっつぁんが死んだから、赤飯炊くか。」
とまで言われたらしい。
 
その「はっつぁん」も農閑期には
貯水池の建設工事に携わっていた。
頑固者だが腕の立つ人で
他人の倍の給料を貰っていたと聞く。
彼がどんな作業をしていたかわからないが
建設当時の写真を見ると
この中のどこかに「はっつぁん」がいるのかなと
探してしまう。
 
80年以上も前、「はっつぁん」はどんな思いで
この景色を眺めたのだろう。
ふと、遠い昔に思いをはせていた。
 
美しい取水塔と過ごした、
美しい秋の一日でした。

岸 成行

風景の再構築

建築名称:三菱一号館
建築年度:2009年竣工(旧三菱一号館は1894竣工)
設計者:三菱地所設計(旧三菱一号館はジョサイア コンドルの設計)
雑感:現在の三菱一号館は2009年に再建された建築です。「東京の近代建築」という今回の展覧会の定義にあてはまるかという議論もありますが、最新の技術で旧来の建物を復元し、多くの人から親しまれているなら、この展覧会の趣旨にかなうと思います。

後藤 昌之

明治学院大学インブリ―館

アメリカ木造シングル洋式(下見板張り、コロニアル葺)
設計者:不詳(ランディスまたはガーディナー)
建築年度:1889年(明治22年)頃
建築物の所在地:東京都港区白金台1-2-3 明治学院白金校地内
雑感:明治学院の白金キャンパスにある明治時代の宣教師館で、1998年に国の重要文化財に指定された。宣教師のW.インブリーが長く住んでいたので、インブリー館と呼ばれているが、都内に残る最古の洋風木造建築として風格のある館である。

齊藤 祐子

上野の杜

雑感:上野の杜には歴史的な建築が並んでいる。駅を出て横断歩道を渡ると、前川國男設計の東京文化会館(1961年)ごしに、ル・コルビュジエの設計を三人の弟子、前川、坂倉準三、吉阪隆正が共同で現場を監理して実現した西洋美術館(1959年)を望むことができる。

坂西 悦子

山本有三記念館

建築名称:山本有三記念館
設計者:不詳
建築年度:大正15年
建築物の所在地:三鷹市下連雀2-12-27
雑感:建て主は清田龍之助ということだが設計者不詳なのが残念です。イギリス風のしょう洒な建物で昭和11年から進駐軍に接収されるまで10年間山本有三が住んだという。外観、内部ともにディテールまでデザインされ、当時の洋館としてもすぐれた建物だと思いました。

笹森 和子

2月の貴賓館

建築名称:グランドプリンスホテル高輪貴賓館
設計者:片山東熊
建築年度:明治44年
建築の所在地:品川

清水 正輝

鳩山会館

建築名称:鳩山会館(旧鳩山一郎邸)
設計者:岡田信一郎
建築年度:1924年
建築物所在地:文京区音羽1-7-1
雑感:スケッチに描いた正面アプローチと庭園から望む邸宅では表情が違っており、面白い建築物だと思う。

鈴木 惇子

晩秋の陽射し

建築名称:聖テモテ教会
建築の所在地:文京区弥生

鈴木 喜一

スコットホール

鈴木 悠

東京文化会館

角南 範子

山本有三記念館

関根 和夫

日本橋人形町界隈

建築物の所在地:東京都中央区日本橋人形町
雑感:表通りから横道にそれてみると、こうした木造家屋が残っている。歯科医院の看板が出ているが、一階は改装されている。二階は料理屋の風情そのまま。寿司屋も丁寧なつくりのお店です。

関谷 源次

自由学園 明日館

建築年度:大正10年(1921年)
設計者 :フランク・ロイド・ライト
羽仁吉一、もと子夫妻創立の自由学園校舎として西池袋に建設
平成9年(1997年)国の重要文化財に指定される。
プレイリースタイル(草原様式)と呼ばれる平面構成

瀬野 高秀

四谷 旧御所トンネル

雑感:迎賓館と学習院初等科の下を通っています。

坪倉 喬男

新装なった歌舞伎座

建物名称:歌舞伎座
建築物の所在地:東京都中央区銀座4-12-15
雑感:歌舞伎座はもともと、明治22年11月に建設されたが、現在の歌舞伎座の原型は大正13年12月に建設。その後戦災に会い昭和26年再建。今般外装は従来のままで、背部にタワー部分をかかえ、本年4月、杮葺落しをむかえた。東京の新名所。人も車も多い中でのスケッチで何度も足をはこんだ。

戸井田 熙

下町の眼科医院

建築名称:大橋眼科医院
建物の所在地:東京都足立区千住3-31
建築年度:大正初期
設計者:不明
雑感:何度かの増築を繰返したようで、外壁の色や外装材や装飾が大きく3つの様式が混在している。手入れ、保全は良好。

仲 澄江

ミルクホールサカエヤ

建物の所在地:神田

中島 勝朗

旧東京医学校 本館

建築名称:東京大学総合博物館小石川分館(標本館)
設計者:工部省営繕局
建築年度:1876(明治9)年
建築物の所在地:文京区白山
雑感:国指定重要文化財。東京大学で現存する建物として最古のものである。本郷のキャンパスに建てられたが、1969年に現在の植物園内に移築された。

中根 優子

旧東京医学校本館

建築名称:旧東京医学校本館
建築年度:明治9年 昭和44年移築
建築物の所在地:文京区白山3-7-1 小石川植物園内
雑感:森鴎外も学んだ明治の校舎「旧東京医学校本館」。明治の写真を見ると塔屋が今より大きい。精いっぱい背伸びしようとする時代の空気が伝わってくるようだ。西洋の新しい文化を学ぶ青年たちにふさわしい格好いい校舎を作りたい!そんな棟梁の思いのにじみ出た擬洋風建築も、今では植物園の風景の一部になっている。

中原 早季子

谷中 藤村屋

西村 雅子

小石川植物園

雑感:都会の雑踏の中でこんな素敵な空間があるなんて・・・心が癒される場所です。

弘中 栄美

東京駅

設計者:辰野金吾
建築年度:1914年竣工、2012年復原
建築名称:東京駅
雑感:竣工から約100年。発展と空襲での消失など幾多の出来事を経て、昨年創建当初の状態に復元された東京駅。化粧直しを済ませたばかりの建物は、くすみもなく美しい。これから先の100年間で、どのような記憶が刻まれていくのだろう。

藤原 成暁

秋景-晩香廬

所 在 地:東京都北区西ヶ原2-16-1 飛鳥山公園内 
建築名称:晩 香 廬 木造瓦葺き平屋建
建築年度:1917年(大正6年)
設 計 者:田辺淳吉
雑  感:深谷に移築された誠之堂を見て何かもの足らず、飛鳥山を訪れた。      
明治財界の中心人物のひとり、渋沢栄一の喜寿を祝って清水組から贈られた晩香廬は誠之堂と並んで、細部にまで拘った大正ロマンの名建築といわれている。やはり、建築は周囲の環境と切り離すことのできない土地と一体のものだと改めて思う。               
晩秋のひとときを飛鳥山で過ごした後、山田屋に寄りほろ酔いで家路につく。

堀内 優子

都立岩崎邸

設計者:ジョサイア・コンドル
建築年度:明治29年、1896年
建物の所在地:台東区池之端1-3-45
雑感:日本の実業界をリードした岩崎弥太郎邸は現在110数年。その威風を保ち続けている。

松原 英夫

迎賓館赤坂離宮主庭

建築名称:迎賓館赤坂離宮
建築年度:S.49年(1974)(注)現在の迎賓館
建築物の所在地:東京都港区元赤坂2-1-1
雑感:赤坂離宮はいつも塀の外から見ていましたが、今回一般参観で本館、主庭を見ることが出来ました。特に主庭の噴水に圧倒され、又本館2階大ホール入口左右に、小磯良平画伯の「絵画」「音楽」が飾られていて驚きました。

森本 太郎

アユミギャラリー

アユミギャラリーは木造の二階建て洋風建築。よく知っている所でもスケッチするのは初めて。午前の秋の光を受けたギャラリーをスケッチしていると、いつもとは違うこの時だけの光景におもえてくる。気づいたらご近所のオカダさんが背後に立っていた。そこにギャラリーからアツコさんがやってくる。おもえばここはいろんな人との出会いの場なのだった。(かつてギャラリーの庭でキイチさんに柿をむいてもらったのを思い出す。)
通りがかりの見知らぬご婦人たちと画材や描きかたについてちょっと言葉を交わす。初めて会ったのに前から知っているような雰囲気になるのもスケッチのおもしろいところ。

横山 慎司

東京工業大学創立70周年記念講堂

建築名称:東京工業大学創立70周年記念講堂
設計者:谷口吉郎
建築年度:1958年(昭33)
建築物の所在地:東京都目黒区大岡山
雑感:帝国劇場や東宮御所の設計で知られる建築家谷口吉郎は、歴史的建築物保存運動の先駆者でもありました。博物館明治村の設立に尽力し、解体されそうな名建築を知ると、まるで救急車のようにかけつけ、村に移築したと伝えられています。そんな谷口吉郎の建築でさえも、簡単に壊されてしまう現代は少々寂しい気がします。

渡邉 義孝

早稲田大学演劇博物館