東北被災地復興・文化支援企画「福島・宮城・岩手の三窯展」

日時:2013年7月12日(金)~7月17日(水) 11:00~19:00

※最終日は18:00まで

会場:早稲田奉仕園 スコットホール ギャラリー

 

入場料無料。

 

作品販売収益の一部を東北被災地支援事業の義援金とします。

  • 藤沢焼(岩手県藤沢町・開窯 昭和四八年)、本間伸一・本間文江
  • 堤焼(宮城県仙台市・開窯 元禄七年)、第四代針生乾馬
  • 相馬駒焼(福島県相馬市・開窯 慶安四年)、故第十五代法橋田代清治右衛門

 
主催 | 西山彩音、大島由雅
企画協力 | 東北炎の作家復興支援プロジェクト
協賛 | 公益財団法人 早稲田奉仕園

東北陶芸文化のこれからをおもう

西日本と比べてあまり有名ではありませんが、東北地方の各地には新旧様々な窯場があり、それぞれが独自の文化を形成してきました。本展覧会では、江戸期より続く福島県の相馬駒焼と宮城県の堤焼、新興の窯場である岩手県の藤沢焼がやってきます。東日本大震災後、これら東北陶芸文化を取り巻く環境は大きく変化してきました。地震による窯の崩落、原発問題による材料や焼成の制限、顧客の離散など、多くの苦難を強いられています。今回、難局に立ち向かう三窯、そして東北の陶芸文化を守りたく、この展覧会を企画することとなりました。中でも相馬駒焼は震災後に継承者不在に陥り、加えて原子力発電所の放射能の問題により継続そのものが危機的状況です。多くの方々に東北陶芸文化の現状、また、そのものづくりにある奥深さと美しさ、優しさと力強さを、ぜひ器を手にして知っていただきたいです。
 

LinkIconチラシ.pdf(2.46MB)

福島県相馬市に窯をひらく相馬駒焼は、釉のひびと馬の絵付けが特徴であり、それゆえ「駒焼」と呼ばれています。伝統に裏打ちされた独特の風雅さをもち、砂質の土肌がよく手に馴染みます。元和9年(1623年)に初代窯元が藩の命によって京の名陶工・野々村仁清のもとで修行した後、現在の地で開窯されたことが始まりです。相馬駒焼は代々田代家のみで作られ、江戸時代まで奥州中村藩の御留窯として藩主の使用品、将軍や諸大名への贈答品としてのみ作陶され、一般には禁制の品として流通しませんでした。東北陶芸文化で第二の歴史をもつ相馬駒焼は、栃木県益子焼と茨城県笠間焼の直系のルーツであり、また、元禄(1688年)以前に作られたとされる、使用可能なものでは日本最古として福島県重要有形文化財に登録されている登窯を有しています。大震災後、十五代田代法橋が逝去され継承者不在となり、また放射能問題による材料調達など様々な苦難を強いられており、現在その約390年守られてきた歴史と伝統は幕引きの瀬戸際に立たされています。

第十五代法橋田代清治右衛門 Tashiro Seijiemon

相馬駒焼窯元。昭和22年福島県相馬市、第十四代田代法橋の長男として出生。人間国宝の加藤卓夫氏に師事、その後10年間、福島県無形文化財の第十四代田代法橋の助手を務める。昭和45年、法橋の号とともに第十五代清治右衛門襲名。日展入選15回、福島県美術家連盟評議員、福島県美術展招待作家、文部大臣より地域文化功労者表彰、両陛下を筆頭に皇室の御下命による多くの作品献上など、陶芸一筋の道を歩まれた。平成23年、逝去。


かつて堤町(仙台市青葉区)一帯に窯場があったことから、その名がついた堤焼。伊達藩主の御留窯として元禄7年(1694年)にはじまり、後に庶民の生活雑器を生産するようになりました。粗く優れた地元の土を活かした素朴さ、黒と白の釉薬を豪快に流し掛けた“なまこ釉”が特徴で、昭和初期に民藝の父・柳宗悦や益子焼人間国宝の濱田庄司らによって「東北を代表する民窯」として絶賛されました。現在では「堤焼乾馬窯」が唯一の窯元となっています。初代窯元が仙台に招かれた江戸の陶工・三浦乾也(第六代・尾形乾山)から“乾馬”の陶号と秘伝書『乾山秘書』を授かったことが始まりです。現在の第四代乾馬にいたっても、仙台の土と釉薬を使い、土地の風土に根ざした焼きものにこだわった作陶を一貫して続けられています。

第四代針生乾馬 Haryu Kenba

堤焼窯元。昭和2年宮城県仙台市、第三代針生乾馬の長男として出生。父第三代乾馬に師事し、昭和38年、第四代乾馬襲名。東京日本橋三越など各地で個展開催。三軌会展では、宮城県芸術選奨受賞。陶光会全国陶芸展では陶光会賞、会長賞、文部大臣賞、内閣総理大臣賞など受賞。宮城県と仙台市より教育文化功労賞、文部大臣より地域文化功労者表彰などを受けている。


昭和48年、岩手県の草深き山里、藤沢町深萱にはじめて藤沢焼の火が灯りました。用の美として豊かな自然の趣を感じさせる藤沢焼は、地元でとれる土と赤松を使用し、その土味を生かすため長時間をかけて穴窯で焼成しています。今年で、開窯40年周年を迎えることとなりました。

本間伸一 Honma Shinichi

藤沢焼窯元、開祖。昭23年宮城県出身。日本・ヨーロッパで活躍する現代日本を代表する陶芸家の一人。桃山古陶の永遠の美を探求し、多くは穴窯による焼締めや自然釉の作品を制作。藤沢町最大のシンボル「縄文野焼き祭」の創始者であり、現在も地域の中心人物として活躍している。

本間文江 Honma Fumie

藤沢焼窯元。昭和49年岩手県出身。ドイツ・フライブルグの陶芸家フォルカー・エルヴァンガーに学び、現在は父本間伸一の元で作陶活動を行う。多彩なしぐさや表情のリアルな猫の火鉢「手あぶり猫火鉢」を中心に制作を続けている。

トークイベント
2013年7月12日(金)17:00
リバティホール(ギャラリー横の教会内)にて*講堂より変更になりました

主に出展作品、東北陶芸文化の現状、相馬駒焼の継続可能性などについて、出展作家とインタビュー形式で語り合います。

オープニングパーティー
同日、18:00
トークイベント終了後、ギャラリー内にて